おみくじとは|由来と書かれている項目の読み方

おみくじとは、神社やお寺で引くくじで、吉凶の結果よりも、そこに書かれた和歌や漢詩、項目ごとの言葉を今の自分への助言として受け取るものです。今の形のもとは、平安時代の僧・元三大師が授かったと伝わる百枚の漢詩のくじ(観音籤)で、江戸時代に寺で広まり、のちに神社では和歌を載せたおみくじが生まれました。

この記事の要点

  • おみくじは神仏の言葉を今の自分への助言として受け取るくじ
  • 今の形のもとは元三大師に伝わる百枚の観音籤
  • 寺のおみくじは漢詩、神社のおみくじは和歌が中心
  • 吉凶より和歌・漢詩と項目の言葉が読みどころ
  • 同じ願いで引き直さず、一度の答えを受け取る

おみくじの由来

おみくじは漢字で御神籤や御御籤と書き、くじに敬いの言葉を重ねた呼び名です。くじは古くから、人の考えだけでは決められないことを神仏に問う方法でした。祭りの役目や物事の順番、ときには政の大事までくじで決め、出た結果を神仏の意思として受け取ってきた歴史があります。

今のように、一人ひとりが自分の運勢や心構えを知るために引くおみくじが広まったのは、江戸時代のことです。寺で引く漢詩のくじが庶民に親しまれ、参拝のたびに引く習わしが根付きました。明治時代に神社と寺が分けられると、神社では漢詩に代えて和歌を載せたおみくじが作られるようになり、今では多くの神社で和歌のおみくじが引けます。

占いの分け方でいうと、おみくじは、問いを心に置いてくじを引き、出た結果から答えを読む卜術の仲間です。タロットや易と同じく、生年月日を使わずに、今の自分に必要な言葉を受け取ります。占い全体の中での位置づけは占いの種類一覧で確かめられます。

元三大師のおみくじ(観音籤)

今のおみくじのもとになったのが、元三大師のおみくじと呼ばれる観音籤です。元三大師は平安時代の天台宗の僧で、正月三日が命日であることから、この名で親しまれています。観音菩薩に祈って授かったと伝わる百の漢詩が、一番から百番までのくじになりました。

観音籤の作りを見ると、おみくじの基本の形がよく分かります。

観音籤の百本のうち、凶はおよそ3割を占めます。お寺で凶を引いて驚く人が多いのはこのためで、凶が出ること自体は珍しいことではありません。元三大師のおみくじは、今も天台宗の寺を中心に、観音籤を置く各地の寺で引くことができます。

和歌・漢詩の読み方

おみくじの中心は、吉凶の文字ではなく和歌や漢詩です。吉凶は全体の調子を示す目安で、何に気をつけ、どう動けばよいかは歌や詩の中に書かれています。大吉でも歌が慢心を戒めていたり、凶でも歌の結びに明るい兆しが詠まれていたりするので、吉凶の字と歌の中身が食い違って見えるときは、歌のほうを重く読みます。

神社の和歌の読み方

和歌のおみくじは、神様の言葉を五・七・五・七・七の歌に託したものです。歌には花、月、雨、舟、山道といった自然の情景が詠まれ、その情景が今の自分の状況のたとえになっています。読むときは、季節や天気が明るいか曇っているか、動きが進むのか待つのか、最後の七・七が何で結ばれているかの三点を見ます。たとえば雲が晴れて月が現れる情景なら、今のつかえが少しずつほどけていく流れ、つぼみがふくらむ情景なら、まだ時を待つ段階と読みます。歌の横に現代語の解説が添えられていれば、それも合わせて読みます。

お寺の漢詩の読み方

観音籤の漢詩は、五文字の句を四つ並べた二十字の詩です。四つの句は、物事の起こり、受け継ぎ、転じ、結びの順に並ぶことが多く、前の二句が今の状況を、三句目が転機を、四句目が行く先や心構えを表します。漢文のままでは読みにくいので、札に添えられた書き下し文と解説を手がかりにします。悩みへの答えは三句目と四句目に込められていることが多いので、そこをとくに丁寧に読みます。

願望・待人・失物などの項目の読み方

和歌や漢詩の下には、暮らしの場面ごとの短い言葉が並びます。言葉は古い言い回しで書かれていることが多いので、よく出る言葉の意味を知っておくと読みやすくなります。「よろし」は良い、「あし」は良くない、「さわりなし」は差し支えない、「おそし」は時間がかかる、という意味です。

項目の言葉は、結果を言い渡すものではなく、その場面での心構えとして読みます。待人の欄に「来らず」とあっても、待っている人と縁がないと決まったわけではなく、待つだけでなく自分から動く時期だと受け取ります。失物の欄の「出づ」「低き所」などの言葉は、探す場所のヒントであると同時に、見失った気持ちや目標を取り戻す手がかりとしても読めます。

病気の項目は、体を休める心構えの言葉として受け止め、体調そのものの判断はおみくじに任せません。争事の項目も、相手との向き合い方の心構えとして読みます。

いま気になっている項目を一つだけ選び、その言葉を手帳に書き写しておくと、迷ったときに読み返せます。

おみくじの主な項目と読み方
項目書かれる言葉の例読み方
願望(願事)叶う・叶いがたし・時を待て願いの進め方。叶いがたしなら、やり方や時期を見直す合図
待人来る・来らず・遅く来る・音信あり恋人に限らず、助けてくれる人や待っている知らせ。来らずなら自分から動く
失物出づ・出がたし・低き所・人に問え探す場所のヒント。見失った気持ちや目標を取り戻す手がかりにもなる
旅行(旅立)よろし・控えよ・東よし出かける時期と心構え。控えよなら準備を念入りに
商売利あり・損なし・急ぐな仕事の進め方。急ぐなとあれば、焦らず足元を固める
学問努力すれば実る・油断するな学び方の心構え。積み重ねの大切さを伝える言葉が多い
恋愛誠意を尽くせ・焦るな相手との向き合い方。言葉どおりの行動を一つ決める
縁談調う・急げば破れる話の進め方。急げば破れるなら、周りの理解を得てから進める
転居(移転)よろし・時を選べ引っ越しの時期の目安。時を選べなら暦の吉日も合わせて見る
争事勝つ・控えよ・和して吉相手との向き合い方の心構え。控えよなら一歩引いて話し合う

おみくじを引く回数

おみくじは、一つの願いごとにつき一回引くのが基本です。結果が気に入らないからと何度も引き直すと、答えを自分で選び直すことになり、最初に受け取った言葉の重みが薄れてしまいます。引く前に、何について教えてほしいのかを心の中で一つに決めておくと、出た言葉を自分の問いに引き寄せて読めます。

年に何回まで、という決まりはありません。初詣で一年の心構えを授かり、転職や引っ越しなど節目の参拝で、その時の問いについてもう一度引く、という使い方もできます。同じ日に別の神社やお寺を回ってそれぞれで引くことも禁じられてはいませんが、結果を比べて良いほうを選ぶためなら控えたほうが、言葉を素直に受け取れます。

凶が出たときの引き直しについては、寺社によって考え方が分かれます。星占堂では、引き直すより、まず書かれた言葉を読み、気をつけることを一つ決めるほうをすすめます。吉凶の位の並び方はおみくじの順番で、引いたあとの扱い方はおみくじは結ぶ?持ち帰る?で詳しく説明しています。

おみくじの言葉を毎日に生かす

おみくじは、引いたその場で読み終えるより、しばらく手元に置いて読み返すと役に立ちます。

  1. 和歌や漢詩を声に出して一度読み、情景を思い浮かべる
  2. いちばん気になった項目の言葉を、手帳やスマートフォンのメモに書き写す
  3. その言葉に沿って、今週できる行動を一つ決める。急ぐなとあれば、返事を一晩おいてから出す、など
  4. 一か月後に読み返し、言葉どおりに動けたかを振り返る

おみくじの言葉を自分の状況にどう当てはめればよいか分からないときは、一人で考え込まずに誰かに話してみてください。人に説明するうちに、歌の情景と自分の悩みが重なる部分が見えてきます。生まれ年の九星や星座から一年の流れを見ておきたい人は、2027年の運勢も合わせて読むと、おみくじの言葉を当てはめる場面がはっきりします。

よくある質問

おみくじは英語で何と言いますか

おみくじはそのまま omikuji と書くほか、fortune slip や written fortune と訳します。大吉は great blessing や excellent luck、凶は bad luck と訳されることが多く、英語の説明を添えたおみくじを置く神社やお寺もあります。

元三大師のおみくじは、ほかのおみくじと何が違いますか

元三大師のおみくじは、百番の漢詩と七段階の吉凶でできた観音籤で、今のおみくじの原型にあたります。凶が3割ほど入っているのが特徴で、神社の和歌のおみくじより凶を引く機会が多くなります。漢詩の書き下し文と解説を読んで、今の自分に重ねて受け取ります。

おみくじはいつ引くのがよいですか

初詣に限らず、参拝したときならいつ引いてもかまいません。大安などの日取りを気にする必要もなく、迷いごとがあって心を整えたいときが引きどきです。日の吉凶が気になる人は、六曜の意味を知っておくと安心して参拝できます。

神社とお寺のおみくじは何が違いますか

神社のおみくじは和歌、お寺のおみくじは漢詩が中心になっているものが多く見られます。吉凶の種類や凶の割合も寺社ごとに違い、観音籤を使うお寺では凶の割合が高めです。どちらも、書かれた言葉を今の自分への助言として読む点は同じです。

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