天一天上とは 意味と期間中の過ごし方

天一天上(てんいちてんじょう)とは、方位の神である天一神(なかがみ)が天に上っていて、その神の方角を気にせずに出かけられる16日間のことです。干支が癸巳の日から戊申の日までの期間で、60日に一度、年に6回ほど巡ってきます。期間中は旅行や遠出の予定を組みやすい一方、家の中には日遊神がとどまると読むので、家を清潔に保って過ごします。

この記事の要点

  • 天一天上は方位の神・天一神が天に上る16日間
  • 干支の癸巳から戊申まで。60日ごと、年に6回巡る
  • 期間中は天一神の方角を気にせず遠出ができる
  • 日遊神が家にとどまるので家の中を清潔に保つ
  • 神吉日とは別の暦注で、重なる日は遠方の参拝向き

天一天上の意味(天一天上日とは)

天一天上は「てんいちてんじょう」と読みます。天一とは、方位をつかさどる神である天一神(なかがみ、てんいちじん)のことで、天上は天に上ることを表します。ふだんは地上で方角を巡っている天一神が、天に帰っている間を天一天上と呼びます。

昔の人は、天一神のいる方角へ向かって出かけたり、その方角へ移り住んだりすることを避けてきました。天一神が天に上っている間は、その心配がいらなくなります。暦に書かれた「天一天上」の文字は、方角の制約がほどけた期間の目印です。

「天一天上日」と書かれているときは、この期間に入っている一日一日を指します。1日だけの吉日ではなく、16日間ひと続きの期間であることが、天赦日や大安のような一日単位の吉日との大きな違いです。期間の中には吉日も凶日も混ざっているので、天一天上だからといって16日間がすべて大吉になるわけではありません。

天一神の遊行と方位(方塞がりと方違え)

天一神は60日をひと巡りとして動きます。己酉(つちのととり)の日に天から北東へ降りて6日とどまり、続いて東に5日、南東に6日、南に5日、南西に6日、西に5日、北西に6日、北に5日と、時計回りに八方を移ります。四隅には6日ずつ、東西南北には5日ずつで、地上にいる日数は合わせて44日です。そして癸巳(みずのとみ)の日に天へ上り、残りの16日を天で過ごします。

天一神がいる方角へ向かうことを「方塞がり」と呼びました。平安時代の貴族は、行き先がその方角にあたると、前の晩にいったん別の方角の家へ泊まり、向きを変えてから目的地へ向かいました。これが「方違え(かたたがえ)」で、『源氏物語』や『枕草子』にも、方違えのために人の家へ泊まる場面が出てきます。

その年のどの時期に天一神がどの方角にいるかは、星占堂の2027年の天一天上カレンダーで期間ごとに確かめられます。地上にいる44日の間も、天一神のいない方角へ出かけることには差し支えありません。

天一天上の期間(16日間)の決まり方

天一天上の期間は、日の干支だけで決まります。干支は甲子から癸亥までの60通りが一日ずつ順に巡り、その30番目の癸巳から45番目の戊申までの16日間が天一天上です。干支の並び方は六十干支で説明しています。60日に一度巡るので、1年には6回ほどあり、日数にすると年に96日前後になります。

干支で決まる期間なので、16日間の中身にも決まった並びがあります。初日の癸巳と13日目の乙巳は巳の日、10日目の壬寅は寅の日で、どの期間にも巳の日が2回、寅の日が1回入ります。大明日にあたる乙未・壬寅・甲辰・乙巳・丙午の5日も、毎回この期間に含まれます。

さらに、夏の天赦日の甲午と秋の天赦日の戊申は、どちらも天一天上の干支です。夏と秋に天赦日が来るときは、いつも天一天上の期間の中にあり、秋の天赦日は期間の最終日にあたります。2026年と2027年の期間を表にまとめました。

2026年・2027年の天一天上の期間と重なる日
期間(癸巳〜戊申の16日間)期間中の大安期間中の天赦日期間中の不成就日
2026年1月19日(月)〜2月3日(火)1月24日・1月30日なし1月24日・2月1日
2026年3月20日(金)〜4月4日(土)3月22日・3月28日・4月3日なし3月20日・3月28日
2026年5月19日(火)〜6月3日(水)5月24日・5月30日5月20日5月20日・5月28日
2026年7月18日(土)〜8月2日(日)7月19日・7月25日・7月31日7月19日(一粒万倍日・大安も重なる)7月19日・7月27日
2026年9月16日(水)〜10月1日(木)9月20日・9月26日10月1日(一粒万倍日も重なる)9月20日・9月28日
2026年11月15日(日)〜11月30日(月)11月16日・11月22日・11月28日なし11月20日・11月28日
2027年1月14日(木)〜1月29日(金)1月19日・1月25日なし1月21日・1月29日
2027年3月15日(月)〜3月30日(火)3月17日・3月23日・3月29日なし3月17日・3月25日
2027年5月14日(金)〜5月29日(土)5月19日・5月25日5月15日5月17日・5月25日
2027年7月13日(火)〜7月28日(水)7月15日・7月21日・7月27日7月14日(一粒万倍日も重なる)7月17日・7月25日
2027年9月11日(土)〜9月26日(日)9月16日・9月22日9月26日(一粒万倍日も重なる)9月18日・9月26日
2027年11月10日(水)〜11月25日(木)11月11日・11月17日・11月23日なし11月17日・11月25日

期間中の移動と旅行(引っ越しの考え方)

天一天上の16日間は、天一神の方角を気にせずにどこへでも出かけられる期間です。旅行や出張、帰省、遠くの親せきへのあいさつなど、行き先の方角が決まっている用事を入れるのに向いています。2027年なら、5月14日〜29日の期間に5月15日(土)の天赦日が入り、9月11日〜26日の期間には敬老の日の3連休と秋分の日が入るので、遠出の計画を立てやすくなります。

ただし、天一天上で外れるのは天一神の方角の制約だけです。九星気学で見る吉方位・凶方位は、本命星と年盤・月盤の配置で決まる別の考え方なので、方位を大切にしたい旅行は吉方位の求め方も合わせて確かめます。

引っ越しの日取りに天一天上を使うときは、期間中の凶日にも目を配ります。たとえば2027年3月24日(水)は一粒万倍日・寅の日・大明日が重なる日ですが、三隣亡にもあたるので、家に関わる用事を気にする人は外します。期間の中から、大安や大明日と重なり、不成就日・三隣亡ではない日を選ぶと、方角と日取りの両方が整います。行き先の方位と本命星の相性まで含めて迷うときは、自分の場合を詳しく見てもらうと、候補を一つに絞りやすくなります。

天一天上の期間の家での過ごし方(日遊神)

天一神が天に上っている間、代わりに家の中にとどまるのが日遊神(にちゆうしん)です。日遊神はけがれを嫌う神なので、天一天上の間は家の中を清潔に保って過ごすのが昔からの心得です。16日間は、部屋の片づけや水回りの掃除をまとめて進めるのにちょうどよい長さでもあります。

年末の大掃除を早めに進めたい人には、11月の天一天上が使いやすい期間です。2026年は11月15日〜30日、2027年は11月10日〜25日なので、この16日間に部屋ごとの掃除を割り振ると、12月に慌てずに済みます。家を清める期間と、遠くへ出かけやすい期間が同じ16日間に重なるのが、天一天上ならではの特徴です。

神吉日との関係(天一天上と神吉日)

天一天上と並べて調べられることが多いのが神吉日です。神吉日は、神社への参拝や神棚まつり、お祓いなど神事に向く一日ごとの吉日で、方位の神が天に上る期間を示す天一天上とは、決まり方も意味も別の暦注です。

「天一天上は神様が天に上ってしまう期間だから、お参りしても意味がないのでは」と心配する人がいますが、天に上るのは方位をつかさどる天一神で、神社にまつられている神様が留守になるわけではありません。期間中のお参りを控える理由はなく、むしろ方角を気にせず遠くの神社へ出かけられるので、旅行を兼ねた参拝の計画を立てやすい期間です。

期間中に神吉日が重なる日は、遠方の神社へのお参りや、神棚の掃除とお札の取り替えにあてると、二つの暦注の意味がそろいます。神吉日は暦注の下段まで載った暦で確かめ、大明日など星占堂のカレンダーで日付が分かる吉日と組み合わせると、候補を絞り込めます。

よくある質問

天一天上とは簡単に言うと何ですか

方位の神の天一神が天に上っていて、その神の方角を気にせずに出かけられる16日間のことです。干支が癸巳の日から戊申の日までの期間で、60日に一度、年に6回ほど巡ります。期間中は家の中を清潔に保って過ごします。

天一天上の期間に旅行や引っ越しをしてもいいですか

天一神の方角を気にしなくてよい期間なので、旅行や引っ越しの予定を入れやすい期間です。九星気学の吉方位・凶方位は別の考え方なので、方位を大切にするなら本命星の吉方位も確かめます。引っ越しは、期間中の不成就日や三隣亡を外して日を選びます。

天一天上の間に神社へ参拝してもいいですか

参拝して構いません。天に上るのは方位の神の天一神で、神社の神様が留守になる期間ではありません。神吉日と重なる日は、遠方の神社へのお参りに使いやすい日です。

天一天上は吉日ですか、凶日ですか

一日ごとの吉凶を表す暦注ではなく、天一神の方角の制約がなくなる16日間を表す暦注です。期間の中には大安や天赦日もあれば、不成就日や三隣亡もあります。用事の日取りは、期間の中でほかの暦注を重ねて選びます。

2027年の天一天上はいつですか

2027年は1月14日〜29日、3月15日〜30日、5月14日〜29日、7月13日〜28日、9月11日〜26日、11月10日〜25日の6回です。どの期間も16日間で、5月・7月・9月の期間には天赦日が入ります。

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