地雷復(ちらいふく)の意味|易経の卦辞と爻の読み方

地雷復は、衰えが極まったところに一本の陽が戻り、回復と再出発が始まることを表す卦です。卦辞は通じると説き、行き来に差し障りがなく、仲間が来ても咎めはないと告げています。この卦を得たら、焦らず小さな一歩から始め直すことが答えになります。

この記事の要点

  • 五本の陰の下に陽が一本戻る、一陽来復の卦
  • 月ごとの卦では、冬至を含む十一月にあたる
  • 「七日にして来復す」は、巡りが一回りして戻ること
  • 恋愛では元の気持ちに立ち返り、ゆっくり結び直す時
  • 戻る時を逃す上六の「迷復」だけは凶と読む

地雷復の成り立ち(上卦と下卦)

地雷復は、上卦が坤(☷)、下卦が震(☳)でできた、六十四卦の24番目の卦です。坤は地で受け入れることを、震は雷で動くことを表します。爻はいちばん下にだけ陽が一本あり、その上に陰が五本重なっています。

象伝は「雷の地中に在るは復なり」と述べます。冬の大地の奥深くで、春に鳴り出す雷の力が、静かに動き始めている姿です。地上はまだ寒く、何も変わっていないように見えても、足元では新しい力が芽生えています。復は「かえる」「ふたたび」と読み、失われたものが戻ること、もう一度始めることを表します。

月ごとの卦では、復は二十四節気の冬至を含む十一月にあたります。冬至は一年でいちばん昼が短い日で、その日を境に日が少しずつ長くなっていきます。陰が極まって陽に転じるこの節目を、昔の人は「一陽来復」と呼んで喜びました。今も、悪いことが続いたあとに運が向いてくることを、この言葉で表します。

一つ前の山地剥では、陽がいちばん上に一本だけ残っていました。その陽が上で尽きると、今度は下から戻ってくる。物事は尽き果てることがなく、剥が極まれば復に転じる、というのが二つの卦の並びの意味です。剥と復は、互いを上下逆さにした形でもあります。

卦辞が伝えること:七日で巡り戻る道

復の卦辞は「復は亨る。」で始まり、出るにも入るにも差し障りがなく、仲間が集まってきても咎めはないと続けたあと、「其の道を反復し、七日にして来復す。往く攸有るに利ろし。」と結ばれます。戻ってきた陽は通じ、同じ道を行き来して七日で戻ってくる。進んでよい、という意味です。

「七日にして来復す」には、陰が初めて生じる天風姤から、陰が一本ずつ増えて坤為地に至り、再び陽が戻る復まで、卦を七つたどると一巡する、という読み方があります。姤・遯・否・観・剥・坤、そして復。巡りが一回りすれば陽は戻ってくる、という意味で、どれほど冷え込んだ時期にも、季節が巡るように回復の時が巡ってくると易は捉えています。

彖伝は「復は其れ天地の心を見るか」と述べます。何もかも枯れたように見える冬至の日にこそ、万物を生み出そうとする天地の心が現れる、という意味です。

象伝は、昔の王は冬至の日に関所を閉じ、商人や旅人を通さず、王自身も各地の見回りをしなかった、と伝えます。戻ったばかりの陽はまだか弱いので、まずは静かに休ませて育てる。回復の始まりには、動き回るより休むことが大切だと教えています。

恋愛・人間関係で地雷復を得たとき

恋愛や人間関係の復は、一度離れたもの、冷えたものに、もう一度ぬくもりが戻ってくる時を表します。

片思い・出会い

片思いで復を得たら、もう一度始め直す時期です。一度は諦めかけた相手、疎遠になっていた相手に、改めて気持ちが向いているなら、挨拶や短い連絡から関係を温め直してください。戻ったばかりの陽が弱いように、最初から大きな告白をするより、小さなやりとりを積み重ねるほうが実を結びます。出会いを探しているなら、昔の友人や以前通っていた場所など、かつての縁をたどると話が広がります。

交際中・復縁

復縁を占って復が出たら、戻る道が開いている状態と読みます。卦辞が仲間の来訪を咎めないとおり、共通の友人を交えて会うなど、自然な形で再会の場をつくると話が進みます。ただし、六三の「頻りに復る」は、別れと復縁を何度も繰り返す姿でもあります。戻る前に、なぜ離れたのかを振り返り、同じことを繰り返さない工夫を一つ決めておいてください。

交際中なら、付き合い始めた頃の気持ちに立ち返る時期です。初めて出かけた場所に行ってみる、最初の頃にしていた小さな気遣いを思い出してみるなど、原点に戻ることで関係が新しく息を吹き返します。

職場・友人・家族

人間関係では、こじれていた相手との関係が修復に向かう時に出ます。先に謝る、先に声をかけるといった小さな一歩が、相手の心を動かします。長く連絡を取っていなかった家族や旧友に、季節の挨拶を送ってみるのもよい時期です。

仕事・選択で地雷復を得たとき

仕事の復は、回復と再出発の時です。落ち込んでいた売上が持ち直す、休んでいた仕事に戻る、以前の職場や分野に戻る、一度失敗した企画にもう一度挑む、といった場面によく出ます。卦辞が「往く攸有るに利ろし」と言うとおり、再び動き出してかまいません。

ただ、戻ってきた陽はまだ一本だけです。最初から以前と同じ量をこなそうとせず、できることから少しずつ広げていくのが復の進み方です。たとえば仕事に戻るなら、最初の数週間は量を控えめにして気持ちを慣らす、新しい企画なら小さく試して手応えを確かめる、といった段取りが合います。象伝の冬至の休みのように、立ち上がりの時期ほど、休む時間をきちんと確保してください。

選択の迷いでは、初九の「遠からずして復る」が手がかりです。間違った方向に進んでいると気づいたら、遠くへ行ってしまう前に引き返せば、悔いは残らないと説いています。今の道に違和感があるなら、その気持ちに早めに向き合うことが答えです。進む道に迷ったときは、身近な人や話を聞くことに慣れた人に打ち明けて、自分の原点を一緒に確かめてもらうのも一つの方法です。

地雷復 占う事柄ごとの読み
占う事柄復での読み心がけ
片思いもう一度始め直す時挨拶や短い連絡から温め直す
出会いかつての縁から話が広がる昔の友人や以前の場所をたどる
交際中原点に立ち返ると関係が息を吹き返す最初の頃の気遣いを思い出す
復縁戻る道が開いている離れた理由を振り返ってから会う
仕事回復と再出発。復帰や再挑戦に向く最初は小さく、少しずつ広げる
選択外れた道に早く気づけば悔いなし違和感に早めに向き合う
お金持ち直しは少しずつ進む一度に取り戻そうとしない
待ち人一度離れた人が戻ってくる形で読む迎える支度を整えておく
探し物元あった場所に戻っている最初に置いた場所をもう一度探す

初爻から上爻までの読み方

復の六爻は、それぞれの位置から、戻ってきた一本の陽にどう向き合うかを描いています。

初九から遠い爻ほど、戻るのが難しくなっていきます。復の時は、早く気づき、素直に戻ることがいちばんの吉です。

変爻と之卦の見方

復の変爻は、回復の芽がどのように育つかを示します。一つの爻が変わったら、その爻辞を自分の戻り方として読み、之卦を、回復の先に広がる景色として添えます。

六二が変わると地沢臨になります。陽が二本に増えて勢いが増す卦なので、よい手本に倣って戻ることで、回復が勢いへと育っていくと読みます。月ごとの卦の巡りで、復の次に臨が来るのと同じ流れです。初九が変わると坤為地になり、戻ったばかりの陽が再び陰に戻るので、焦らずにもう一度受け入れる力を蓄える時と読みます。六五が変わると、始まりの苦しみを表す水雷屯になり、腰を据えた立ち返りにも生みの苦しみが伴うことを示します。上六が変わると山雷頤になり、迷いを抜けるには、日々の養いと言葉の慎みから整え直すよう促します。

二つ以上の爻が変わるときは、卦辞が説く「七日」の巡りのように、時間をかけて戻っていく流れとして之卦をつなげると、全体が見通せます。爻の位置ごとの意味は爻の読み方を、本卦と之卦の組み合わせ方は卦の読み方を参考にしてください。

よくある質問

地雷復は吉卦ですか

吉の卦です。卦辞は「亨る」と説き、進んでよいと告げています。ただ、戻ったばかりの陽はまだ弱いので、一度に大きく動くより、小さな一歩から少しずつ広げることが吉を生かす条件です。

一陽来復とはどういう意味ですか

陰が極まったところに陽が一本戻ってくることで、地雷復の姿そのものを表す言葉です。冬至を境に日が長くなっていくことから、悪いことが続いたあとに運が向いてくる意味でも使われます。

復縁で地雷復が出たらどう読みますか

戻る道が開いている状態と読みます。共通の友人を交えるなど自然な形で再会の場をつくると話が進みます。一方、六三は別れと復縁を繰り返す姿でもあるので、離れた理由を振り返ってから動いてください。

地雷復の読み方は

「ちらいふく」と読みます。上卦の地(坤)と下卦の雷(震)の象に、卦名の復を続けた名前で、略して「復」とも呼びます。

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