鬼門とは 方角と裏鬼門の意味

鬼門(きもん)は、家や土地の中心から見て北東の方角のことで、その正反対の南西を裏鬼門(うらきもん)と呼びます。北東は十二支の丑と寅、南西は未と申にあたり、どちらも陰と陽、季節が切り替わる境目として、昔から家相では玄関や水回りを置くのを避けてきました。九星気学の凶方位のように年ごとに動くことはなく、いつも同じ方角を指すのが鬼門の特徴です。

この記事の要点

  • 鬼門は北東、裏鬼門は南西で、方角は毎年変わらない
  • 北東は丑寅、南西は未申の方位で「うしとら」とも呼ぶ
  • 中国の鬼の門の話と陰陽道から日本で広まった考え方
  • 家相では鬼門に玄関・水回りを置かず清潔を保つ
  • 九星気学の凶方位は年ごとに動き、鬼門とは別物

鬼門の意味と方角(北東)

鬼門は、家や土地の中心から見て北東の方角を指す言葉です。名前のとおり「鬼が出入りする門」という意味で、昔から邪気が入りやすい方角として、家づくりや町づくりで特別に扱われてきました。

方位を十二支で表すと、北東には丑と寅が入ります。そのため鬼門は「丑寅(うしとら)」とも呼ばれ、易の八卦では艮(ごん)の方位にあたります。北東は、冬を表す北と、春を表す東の間にある方角です。一年でいえば冬が終わって春が始まる節目、一日でいえば夜が明けて朝に移る時刻にあたり、陰から陽へ気が切り替わる落ち着かない場所と見なされてきました。

鬼門の範囲は、方位の分け方で変わります。星占堂では、地図の真北を基準に東西南北を30度ずつ、北東・南東・南西・北西を60度ずつに分けるので、北東は真北から時計回りに15度から75度の範囲です。分け方の詳しい手順は方位の測り方で説明しています。家相の流派の中には、北東のちょうど45度の線を鬼門線と呼び、その線の上を特に気にかけるものもあります。

裏鬼門(南西)

裏鬼門は、鬼門の正反対にあたる南西の方角です。十二支では未と申が入るので「未申(ひつじさる)」とも呼ばれ、八卦では坤(こん)の方位です。星占堂の分け方では、真北から時計回りに195度から255度の範囲になります。

南西は、夏を表す南と、秋を表す西の間にあり、陽から陰へと気が切り替わる位置です。鬼門から入った邪気が抜けていく出口とも、鬼門と並ぶもう一つの入り口とも見なされ、家相では鬼門と裏鬼門を結ぶ一本の線として、両方を同じように気にかけます。

暮らしの面でも、南西には北東と違う気をつけどころがあります。北東は日が当たりにくく冷えと湿気がこもりやすいのに対し、南西は午後の強い日差しを受けて熱がこもりやすい方角です。どちらも、暑さ寒さや湿気の偏りが出やすい場所という点で、手入れを丁寧にする理由があります。

鬼門の由来

鬼門という言葉は、古代中国の伝承に由来します。大海の中にある度朔山(どさくさん)という山に、三千里にもわたって枝を広げた大きな桃の木があり、その北東の枝の間が、多くの鬼が出入りする門だったという話です。門には神荼(しんと)と鬱塁(うつりつ)という二人の神が立って鬼を見張り、人に害をなす鬼を捕らえたと伝えられています。中国で門に二神の絵を貼り、桃の木を魔よけに使う風習は、この話から生まれました。

この考え方が陰陽道とともに日本へ伝わると、北東を忌む考えは独自に発展しました。平安時代には都の鬼門を寺社で守る考え方が広まり、のちには家の北東の角をわざと欠いて鬼門を封じる「隅切り」や、鬼門の方角に魔よけの木を植える習わしなど、暮らしの中の工夫として受け継がれていきます。

中国の風水では、方角の吉凶は家の向きや住む人の生まれで決まり、日本ほど北東だけを強く避けることはありません。鬼門をこれほど重く見るのは日本の家相の特徴で、季節の変わり目への用心と、冷えや湿気がこもる北東の暮らしの知恵が重なって育った考え方です。

家相での鬼門の考え方

家相は、間取りや方位から住まいの吉凶を見る日本の考え方で、江戸時代に広く親しまれるようになりました。家相で鬼門を見るときは、まず家の中心を決めます。間取り図の外周から中心を求め、そこから真北を基準に線を引いて、北東と南西の範囲にどの部屋や設備が入るかを確かめます。マンションでも、自分の住戸の間取り図の中心から同じように測ります。

家相で鬼門と裏鬼門に置くのを避けてきたのは、次のような場所です。

また、鬼門の方角で建物が大きく欠けている(へこんでいる)形や、反対に大きく張り出している形も、家相では気にかけます。どれも、昔の住まいで冷えや湿気、汚れの偏りが出やすかった場所と重なります。

鬼門に玄関や水回りがあっても、清潔さと明るさ、風通しを保てば心地よく暮らせます。手入れの具体的な方法は風水で見る鬼門の整え方、置き物の選び方は鬼門に置くと良いもので詳しく紹介しています。

鬼門と九星の方位の違い

鬼門と混同されやすいのが、九星気学の凶方位です。どちらも方角の吉凶を表しますが、決まり方がまったく違います。

鬼門と裏鬼門は、誰にとっても、いつの年でも北東と南西のまま変わりません。これに対して九星気学では、その年の九星を中央に置いた年盤と、月ごとの月盤で方位を見るので、五黄殺・暗剣殺・歳破といった凶方位は年や月ごとに入れ替わり、本命殺・本命的殺は生まれた年の本命星によっても変わります。盤の動き方は年盤と月盤で確かめられます。

九星の基本の配置である後天定位盤では、北東に八白土星、南西に二黒土星が置かれ、どちらも土の五行の星です。北東の八白土星は山と変化・継承を、南西の二黒土星はすべてを受け止めて育てる大地を表し、鬼門と裏鬼門が季節の継ぎ目にあたるという見方とも通じます。

2027年の年盤では、未年なので未の反対の丑を含む北東が歳破にあたり、鬼門と九星の凶方位が同じ方角に重なります。一方で南西には六白金星が入り、五黄殺・暗剣殺・歳破はかかりません(本命殺・本命的殺は本命星ごとに確かめます)。引っ越しや旅行の方角を考えるときは、家相の鬼門ではなく、こうした九星の年盤と月盤で吉凶を確かめます。

鬼門・裏鬼門と九星気学の凶方位の違い
項目鬼門裏鬼門九星気学の凶方位
方角北東南西年盤・月盤で年ごと・月ごとに変わる
十二支と八卦丑寅(うしとら)・艮未申(ひつじさる)・坤年の十二支の反対側が歳破になる
星占堂での範囲真北から15〜75度真北から195〜255度東西南北は30度、四隅は60度で判定
後天定位盤の星八白土星(山・変化と継承)二黒土星(大地・育てる力)その年の星が盤の上を移る
本命星による違いなし(誰でも同じ方角)なし(誰でも同じ方角)本命殺・本命的殺は本命星ごとに変わる
主な使い方家相で玄関・水回りを避け、清潔に保つ鬼門と対にして同じように整える引っ越しや旅行の方角を選ぶ
2027年の様子九星の歳破と重なる六白金星が入り、五黄殺・暗剣殺・歳破はない北が五黄殺、南が暗剣殺、北東が歳破

鬼門が気になるときの考え方

鬼門は、方角そのものが住む人を不運にするという考え方ではなく、季節の変わり目や暮らしの偏りに用心するための目印です。間取りの都合で鬼門に玄関や水回りがある家は珍しくなく、それだけで住み替えや大きな改装を考える必要はありません。

これから家を建てる、部屋を選ぶという段階なら、次の順番で考えると迷いが減ります。

  1. 日当たり、風通し、広さ、通いやすさなど、暮らしやすさの条件で候補を絞る
  2. 候補の間取り図に真北と中心を書き入れ、鬼門と裏鬼門に何が入るかを確かめる
  3. 鬼門に水回りが入るなら、換気や掃除のしやすさを内見で確かめる
  4. 引っ越しの時期と方角は、九星気学の吉方位で別に確かめる

家を建てるなら、着工や上棟の日取りも合わせて決めることになります。建築の凶日である三隣亡や、土用の間の扱いも含めて考えると、方角と日取りの両方が整います。間取り図を前に一人で悩み続けてしまうときは、家族の生年月日と図面を用意して、自分の家の場合を詳しく見てもらうと、気にすべき点とそうでない点を分けられます。

よくある質問

鬼門はどの方角ですか

鬼門は、家や土地の中心から見て北東の方角です。十二支の丑と寅にあたるので「丑寅(うしとら)」とも呼びます。星占堂では、真北から時計回りに15度から75度の範囲を北東としています。

裏鬼門とは何ですか

鬼門の正反対にあたる南西の方角です。未と申の方位なので「未申(ひつじさる)」とも呼びます。家相では鬼門と裏鬼門を一本の線として、両方を同じように清潔に保ちます。

鬼門は毎年変わりますか

変わりません。鬼門はいつでも北東、裏鬼門は南西です。年ごとに変わるのは九星気学の五黄殺や暗剣殺、歳破などの凶方位で、引っ越しの方角はこちらで確かめます。

鬼門と裏鬼門はどちらが大事ですか

家相では二つを一本の線として見るので、どちらか一方だけを整えるより、両方を同じように手入れします。北東は冷えと湿気、南西は熱気がこもりやすいので、それぞれに合った手入れをします。

マンションやアパートにも鬼門はありますか

あります。建物全体ではなく、自分の住戸の間取り図の中心から真北を基準に測り、北東にあたる場所が鬼門です。水回りが鬼門にあっても、換気と掃除を習慣にすれば心地よく暮らせます。

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