風水の鬼門とは|鬼門・裏鬼門に水回りがあるとき

鬼門は家の中心から見た北東、裏鬼門はその反対の南西で、陰と陽が入れ替わる方角として、家相では玄関や水回りを置くのを避けてきました。鬼門にトイレや玄関があっても、それだけで暮らしが悪くなるわけではなく、湿気・暗さ・汚れをためないように整えれば、心地よく住み続けられます。中国の風水(八宅)では方角のなじみ方は住む人の生まれで変わり、北東や南西がよい方位になる人もいます。

この記事の要点

  • 鬼門は北東(丑寅)、裏鬼門は南西(未申)の方角
  • 避けられてきた理由は、陰陽の境目と冷え・湿気・西日
  • 鬼門の水回りは、湿気・暗さ・汚れをためないことで整う
  • 八宅の風水では、西四命の人に北東・南西がなじむ
  • 間取りより手入れを優先し、住み替えは暮らしやすさで決める

鬼門(北東)・裏鬼門(南西)とは

鬼門は、家の中心から見て北東の方角、裏鬼門はその正反対の南西の方角です。方位に十二支を当てはめると、北東には丑と寅、南西には未と申が入るため、鬼門を「丑寅(うしとら)」、裏鬼門を「未申(ひつじさる)」とも呼びます。昔話の鬼が牛の角を生やし、虎の皮の腰巻きを着けた姿で描かれるのは、鬼が出入りする方角が丑寅だという考え方から来ています。

方角を確かめるときは、間取り図に真北を書き入れ、家の中心から角度を測ります。星占堂の方位の測り方では、真北を0度として時計回りに、北東を15度から75度、南西を195度から255度の範囲とします。家相の流派によっては、北東のちょうど45度と南西の225度を結ぶ線を鬼門線と呼び、その線の上に何があるかを重く見ます。

鬼門は日本の家相で育った考え方で、中国の風水でいう八宅の考え方とは、方角の良し悪しの決め方が違います。風水と鬼門を一緒に調べると話が混ざりやすいので、この記事では家相の鬼門の考え方を先に、風水(八宅)の見方を後で説明します。

鬼門が避けられてきた理由

鬼門が避けられてきた理由は、大きく三つあります。

一つ目は、陰陽の考え方です。北は陰、南は陽にあたり、北東は冬から春へ、南西は夏から秋へと季節が切り替わる位置です。陰と陽が入れ替わる境目は気が落ち着かない場所と見なされ、邪気が出入りする方角として恐れられました。

二つ目は、都や城の守りとして鬼門を意識してきた歴史です。平安京では北東の比叡山に延暦寺が置かれ、都の鬼門を守る寺として重んじられました。京都御所の北東の角は塀がへこませてあり、「猿が辻」と呼ばれています。江戸でも、江戸城の北東に寛永寺、南西に増上寺が置かれ、鬼門と裏鬼門の両方を寺で固めました。

三つ目は、暮らしの面の理由です。北東は日が当たりにくく、冬は冷えて湿気がこもります。南西は午後の西日が強く、夏は熱がこもって食べ物が傷みやすい方角です。冷蔵庫も換気扇もない時代に、北東の水回りや南西の台所が衛生面の困りごとを生みやすかったことも、鬼門を避ける知恵として受け継がれた理由の一つです。

三つの理由のうち、今の住まいでも意味を持つのは三つ目です。鬼門を整えるときは、冷え、湿気、熱気、汚れを防ぐことを中心に考えると、家相の考え方を無理なく暮らしに生かせます。

鬼門に玄関・トイレ・キッチンがあるとき

鬼門や裏鬼門に玄関や水回りがあると知ると、不安になる人は多いものです。けれども、家相が気にかけているのは場所そのものより、その場所に冷えや湿気、汚れがたまることです。場所ごとに、気をつける点が違います。

玄関は、外の空気と人が出入りする家の入り口です。鬼門の玄関は朝日が入りやすい反面、冬は冷えやすいので、明るさと清潔さを保つことが中心になります。トイレと浴室は、家の中でもっとも湿気と汚れがたまりやすい場所で、家相で最も気にかけられます。換気と乾燥を習慣にすれば、方角による心配の多くは手入れで解消できます。キッチンは火と水を同時に扱う場所で、裏鬼門の南西にあると西日で食材が傷みやすいので、日差しを遮る工夫が加わります。

寝室や子ども部屋が鬼門にある場合は、家相では大きな問題とはしません。冷えやすい北東の寝室なら寝具を暖かくし、暑くなりやすい南西の部屋なら遮光カーテンを使う、という季節に合わせた工夫で十分です。場所ごとの整え方の要点は下の表のとおりです。

鬼門・裏鬼門にある場所ごとの気をつける点と整え方
場所鬼門(北東)にあるとき裏鬼門(南西)にあるとき整え方の要点
玄関冬に冷えやすく、暗くなりやすい西日で暑くなり、物が傷みやすい照明を明るくし、靴や荷物を出したままにしない
トイレ湿気とにおいがこもりやすい夏に熱とにおいがこもりやすい換気扇を回し、床と便器をこまめに拭く
浴室・洗面所乾きにくく、かびが出やすい熱気がこもりやすい使ったあとに水気を拭き取り、窓や換気で乾かす
キッチン水回りが冷えて乾きにくい西日で食材や生ごみが傷みやすい生ごみをためず、日差しをすだれやカーテンで遮る
寝室・子ども部屋冬の冷え込みが強い夏の暑さが残りやすい寝具や遮光カーテンで季節に合わせて調える

家の中でできる整え方

鬼門と裏鬼門を整える基本は、毎日の小さな手入れです。次の順番で一つずつ習慣にすると、無理なく続きます。

  1. 間取り図に鬼門と裏鬼門の範囲を書き込み、そこにある部屋と物を確かめる
  2. 鬼門側の部屋から、使っていない物や床に置いた物を減らす
  3. 朝のうちに窓を開けるか換気扇を回し、湿った空気を入れ替える
  4. 水回りは、使ったあとに水気を拭く、ふたを閉める、排水口を掃除する、の三つを決まりにする
  5. 裏鬼門側は、夏の西日を遮り、熱がこもらないように風の通り道を作る
  6. 月に一度、鬼門と裏鬼門を同じ日に掃除する日を決める

置き物で整えたい人は、清潔さを保てる範囲で、白い小皿に盛った塩や、手入れのしやすい小さな観葉植物を一つ置く程度で十分です。数を増やすより、いつ見てもきれいな状態にしておくことが、鬼門を整えることの中身です。置くものは、置いたあとの手入れまで含めて選んでください。

掃除の日を決めるときは、月の初めや暦の吉日に合わせると、暮らしの区切りとして覚えやすくなります。大がかりな改装を考える前に、まずこの手入れを1か月続けてみると、その場所の印象が変わるのを実感できます。

風水(八宅)で見る北東と南西

中国の風水の流派の一つである八宅では、方角の良し悪しは家の向きと住む人の生まれで決まり、鬼門という考え方は使いません。生まれ年と性別から求める本命卦で、人は東四命と西四命に分かれます。東四命(坎・離・震・巽)の人には北・南・東・南東が、西四命(乾・坤・艮・兌)の人には北西・南西・北東・西がなじむ方位です。

つまり、家相で避けられてきた北東と南西は、八宅では西四命の人にとってなじみのよい方位になります。本命卦が艮の人にとって北東は自分の卦の方位そのもの、坤の人にとって南西は自分の卦の方位です。家族の中に西四命の人がいるなら、鬼門側の部屋をその人の書斎や寝室にする、という使い方もできます。

家相と風水で答えが違うと迷いますが、どちらも住む人が心地よく過ごすための考え方です。家全体の手入れは家相の鬼門の考え方で、一人ひとりの部屋選びは八宅の本命卦で、と使い分けると、二つの見方を両立できます。自分がどちらのグループかは東四命と西四命で確かめられます。

鬼門を気にしすぎないための考え方

鬼門に玄関や水回りがある家に住んでいても、すぐに住み替えたり改装したりする必要はありません。マンションや建売住宅では、間取りの都合で鬼門に水回りが来ることはよくあり、それだけで住む人の運が決まるわけではないからです。気にしすぎて毎日の暮らしが窮屈になるなら、その気持ちのほうを軽くすることを先に考えてください。

これから住まいを選ぶときは、方角の条件を一つの目安として持ちつつ、日当たり、風通し、通勤や通学の便、家賃や広さといった暮らしやすさを先に比べます。そのうえで候補が並んだら、鬼門側に何があるかで選ぶ、という順番が後悔の少ない選び方です。引っ越す時期や方角が気になるなら、九星気学の引っ越しの方角カレンダーで年ごとの吉凶を確かめられます。

家を建てるときや大きな改装をするときは、着工や上棟の日取りも合わせて考えると安心です。それでも鬼門のことが頭から離れないときは、間取り図と家族の生年月日を用意して、自分の家の場合を詳しく見てもらうと、気にすべき点とそうでない点がはっきり分かれます。一人で図面を見つめて悩むより、話しながら整理するほうが、できることから手をつけられます。

よくある質問

風水で鬼門はどの方角ですか?

鬼門は家の中心から見た北東、裏鬼門は南西です。星占堂の方位の範囲では、北東は真北から時計回りに15度から75度、南西は195度から255度です。もともとは日本の家相の考え方で、中国の風水(八宅)では方角の良し悪しを住む人の本命卦で決めます。

鬼門にトイレがある家は住まないほうがいいですか?

住まないほうがよいということはありません。家相が気にしているのは湿気やにおい、汚れがたまることなので、換気と掃除を習慣にすれば心地よく使えます。気になる場合は、照明を明るくし、床や便器をこまめに拭くことから始めてください。

鬼門と裏鬼門の両方に水回りがあるときはどうすればいいですか?

両方とも同じ考え方で、水気を残さない、換気をする、物をためないことを続けます。鬼門の北東は冷えと湿気、裏鬼門の南西は西日による熱に気をつけると、それぞれの方角に合った手入れになります。月に一度、両方を同じ日に掃除すると忘れずに続けられます。

鬼門に玄関があるとき、引っ越しを考えたほうがいいですか?

鬼門の玄関だけを理由に引っ越す必要はありません。玄関を明るく保ち、靴や荷物を出したままにしないことで、家相の心配の多くは手入れで解消できます。住み替えるかどうかは、日当たりや通勤の便などの暮らしやすさで決めてください。

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