三隣亡とは 意味と由来、してはいけないこと

三隣亡(さんりんぼう)は建築に関わる凶日で、この日に家を建て始めると火を出して向こう三軒両隣まで焼き滅ぼすという言い伝えから、その名が付きました。地鎮祭や着工、上棟(棟上げ)など家づくりの節目に避ける日で、入籍や買い物など建築と関係のない用事には関わらない日です。節月ごとに亥・寅・午のどれかの十二支の日が当たり、2027年は29日あります。

この記事の要点

  • 三隣亡は「さんりんぼう」と読む建築の凶日
  • 建て始めると三軒隣まで火が及ぶという戒めが名の由来
  • 節月ごとに亥・寅・午のいずれかの十二支の日が当たる
  • 地鎮祭・着工・上棟は避け、入籍や買い物には関係しない
  • 2027年は29日あり、天赦日と重なる日もある

三隣亡の意味と読み方

三隣亡は「さんりんぼう」と読みます。三は三軒、隣は隣近所、亡は滅ぼすことを表し、この日に家を建て始めると、火の不始末から自分の家だけでなく三軒先の隣家まで焼いてしまうという戒めが名前に込められています。「向こう三軒両隣」という言葉があるように、昔の町は家が軒を連ねて建っていたので、一軒の火事が町並み全体に広がる怖さは、誰にとっても身近なものでした。

三隣亡は、建築に関わる人たちの間でとくに重く受け止められてきた凶日です。今でも、地鎮祭や棟上げの日取りを決めるときに三隣亡を外す工務店や大工さんは多く、施主が気にしていなくても、職人や近所への配慮から避けることがあります。

一方で、三隣亡は建築のための凶日なので、入籍や結婚式、旅行、買い物、財布の新調など、家づくりと関係のない用事には影響しない日として扱います。星占堂でも、三隣亡は建築と引っ越しの日取りを選ぶときに外す日として数えています。

三隣亡の由来

三隣亡は、古くから宮中の暦に載っていた暦注ではなく、江戸時代の中ごろから民間の暦に見られるようになった、比較的新しい選日です。誰がどのような考えで定めたのかは、はっきりしていません。

由来としてよく知られているのが、書き誤り説です。もとは「三輪宝(さんりんぼう)」と書き、「屋立てよし、蔵立てよし」と、家や蔵を建てるのによい吉日として暦に載っていたものが、書き写されるうちに「よし」が「あし(悪し)」に取り違えられ、字も「三隣亡」に変わって、正反対の凶日になったという説です。読みが同じまま意味だけが入れ替わったという話で、暦が手書きや木版で広まった時代ならではの由来です。

吉日だった日が凶日に変わったという説がある一方で、三隣亡が建築の凶日として長く守られてきたのは、火を出すことへの戒めが、木と紙でできた家が密集する町の暮らしに深く結びついていたからです。由来がはっきりしないからこそ、三隣亡は「火の用心を忘れずに家を建てよう」という心構えの日として受け止めると、気持ちよく付き合えます。

三隣亡の決まり方(節月と十二支)

三隣亡は、節月と日の十二支の組み合わせで決まります。節月は、二十四節気の節入りの日から次の節入りの前日までを一つの月とする数え方で、立春から始まる寅の月を1月として数えます。数え方の詳しい決まりは節入りと月の境目で説明しています。

節月の1月・4月・7月・10月(寅・巳・申・亥の月)は亥の日、2月・5月・8月・11月(卯・午・酉・子の月)は寅の日、3月・6月・9月・12月(辰・未・戌・丑の月)は午の日が三隣亡です。十二支は12日でひと巡りするので、一つの節月にはおよそ2〜3回の三隣亡があり、1年では30日前後になります。星占堂の計算では、2026年が33日、2027年が29日です。

寅の日が三隣亡になる月があることにも注意が要ります。卯・午・酉・子の月の寅の日は、金運の吉日の寅の日でありながら三隣亡でもあり、2027年3月12日(金)や3月24日(水)のように一粒万倍日まで重なる日もあります。2027年の節月ごとの三隣亡を表にまとめました。

2027年の節月ごとの三隣亡
節月(2027年の期間)三隣亡になる十二支2027年の三隣亡
丑の月(1月5日〜2月3日)午1月15日(金)・1月27日(水)
寅の月(2月4日〜3月5日)亥2月13日(土)・2月25日(木)
卯の月(3月6日〜4月4日)寅3月12日(金)・3月24日(水)
辰の月(4月5日〜5月5日)午4月9日(金)・4月21日(水)・5月3日(月・祝)
巳の月(5月6日〜6月5日)亥5月8日(土)・5月20日(木)・6月1日(火)
午の月(6月6日〜7月6日)寅6月16日(水)・6月28日(月)
未の月(7月7日〜8月7日)午7月14日(水)・7月26日(月)・8月7日(土)
申の月(8月8日〜9月7日)亥8月12日(木)・8月24日(火)・9月5日(日)
酉の月(9月8日〜10月7日)寅9月8日(水)・9月20日(月・祝)・10月2日(土)
戌の月(10月8日〜11月7日)午10月18日(月)・10月30日(土)
亥の月(11月8日〜12月6日)亥11月16日(火)・11月28日(日)
子の月(12月7日〜2028年1月5日)寅12月13日(月)・12月25日(土)

三隣亡にしてはいけないこと(建築)

三隣亡に避けるのは、家を建てる工事の始まりと節目です。

昔は、三隣亡の日には足場を組む、屋根に上るといった高い所の作業も控える習わしがありました。建物の引き渡しや新居の契約まで避けるかどうかは、家族の考えや工務店の方針で分かれるので、打ち合わせの早い段階で相談しておくと、工程表を組むときに慌てません。

吉日と重なる三隣亡も、建築では外します。2027年7月14日(水)は天赦日と一粒万倍日が重なる日ですが三隣亡にもあたり、10月30日(土)も大安・一粒万倍日・天恩日・大明日の重なる三隣亡です。こうした日は、建築以外の用事には吉日として使えても、地鎮祭や上棟には向きません。建築の日取りは、三隣亡と土用の間を外して吉日を並べた建築の吉日カレンダーから選ぶと迷いません。

引っ越し・入籍と三隣亡

三隣亡はもともと建築の凶日ですが、引っ越しは家に関わる用事なので、日取りで気にする人がいます。星占堂の引っ越しの吉日カレンダーでも、仏滅・赤口・不成就日と並べて三隣亡を候補から外しています。とくに新築の家へ移る引っ越しは、家づくりの締めくくりにあたるので、三隣亡を避けておくと工務店や近所の人にも気持ちよく受け止めてもらえます。

賃貸の部屋への引っ越しや、荷物を少しずつ運ぶだけの日なら、三隣亡を気にしない人も多くいます。気にするかどうかは自分と家族で決めてよく、大家さんや同居する家族が気にするときだけ合わせる、という考え方でも十分です。

入籍や結婚式は、建築とは関係がないので三隣亡を気にする必要はありません。星占堂の入籍日の日取りでも、三隣亡は外す日に入れていません。2027年なら、4月9日(金)や8月24日(火)、11月28日(日)のように大安と三隣亡が重なる日も、入籍の日取りとしては大安の日として使えます。

三隣亡を気にしすぎない考え方

三隣亡は、2027年なら29日、ほぼ12日に一度の割合で巡ってきます。建築の予定がない人にとっては、ふだんの暮らしで意識する必要のない日です。カレンダーに三隣亡と書かれていても、通勤や買い物、旅行の予定を変える理由にはなりません。

家を建てる人にとっても、三隣亡は工事の無事を願う気持ちを確かめる目印のようなものです。工期は天候や職人の手配、資材の届く日にも左右されるので、三隣亡を外すことだけにこだわって全体の段取りを崩してしまっては本末転倒です。

  1. 工務店に、地鎮祭・着工・上棟の候補日をいくつか出してもらう
  2. その中から三隣亡と土用の間を外す
  3. 残った日のうち、大安や天赦日、大明日と重なる日を優先する

もし三隣亡に工事が始まっていたと後から気づいても、上棟や引き渡し、入居の日を吉日に合わせれば、気持ちの区切りは作り直せます。暦の決まりよりも、火の元の確認や近所へのあいさつなど、三隣亡が伝えてきた「隣を思いやる心がけ」を大切にすることが、家づくりのいちばんの縁起かつぎです。家族の生年月日や土地の方位まで合わせて日取りを考えたいときは、詳しい人に自分たちの場合を見てもらうと迷いが減ります。

よくある質問

三隣亡の読み方と意味は何ですか

三隣亡は「さんりんぼう」と読みます。この日に家を建て始めると火を出して三軒隣まで焼き滅ぼすという言い伝えから名付けられた、建築の凶日です。

三隣亡にしてはいけないことは何ですか

地鎮祭や着工、上棟(棟上げ)、増改築の工事の始まりなど、家を建てる節目の用事です。昔は高い所に上る作業も控える習わしがありました。建築と関係のない用事は、三隣亡を気にしなくて構いません。

三隣亡に引っ越しや入籍をしてもいいですか

入籍は建築と関係がないので、三隣亡でも差し支えありません。引っ越しは家に関わる用事なので気にする人がいて、星占堂の引っ越しの吉日カレンダーでも候補から外しています。賃貸への引っ越しなら、家族や大家さんの考えに合わせて決めます。

三隣亡の由来は何ですか

江戸時代の中ごろから暦に見られるようになった選日で、はっきりした由来は分かっていません。もとは「三輪宝」と書いて建築によい吉日だったものが、書き写すうちに凶日に変わったという説がよく知られています。

三隣亡に地鎮祭をしてしまったらどうすればいいですか

暦の吉凶は工事の結果を決めるものではないので、慌てる必要はありません。気になるなら、上棟や引き渡し、入居の日を吉日に合わせて、気持ちの区切りを作ります。工事中の火の元の確認や近所への気配りを丁寧にすることが、三隣亡の戒めにかなった過ごし方です。

あわせて読みたい

占いの基本と辞典の記事

占いの基本と辞典の記事をすべて見る 読みもの一覧