風水とは|基本の考え方と家でできること

風水とは、目に見えない気の流れを読み、住まいや土地を整えて暮らしを心地よくするための、古代中国で生まれた環境の考え方です。家の中では、気の入り口の玄関、気を蓄える寝室、気がよどみやすい水回りの三つを明るく清潔に保ち、そのうえで方角の五行に合う色や物を少し足すのが基本です。英語では中国語の読みをそのまま使って feng shui と書きます。

この記事の要点

  • 風水は気の流れを読み、住まいを整える中国生まれの考え方
  • 気・陰陽・五行の三つが、方角や色を読む土台になる
  • 方角は八卦で八つに分け、それぞれに運と色を当てる
  • 家では玄関・寝室・水回りを明るく清潔に保つのが基本
  • 九星気学は出かける方角、風水は家の中の方角を見る

風水の成り立ちと英語での言い方

風水は、古代中国で土地の良し悪しを見きわめるために育った考え方です。名前の由来は、晋の時代の書物『葬書』にある「気は風に乗れば散じ、水に界(さかい)せられれば止まる」という一節で、風で気が散らされず、水のそばで気がとどまる土地をよい場所と見ました。はじめは都や墓所を選ぶための技術で、山の連なりや川の曲がり方から気の通り道を読み取っていました。

日本へは飛鳥時代に暦や天文の知識とともに伝わりました。平安京の都づくりでは、北に山、東に川、南に開けた土地、西に大きな道がそろう地形を「四神相応」の地として重んじたと伝えられています。江戸時代には、日本の気候や木造の住まいに合わせて間取りの吉凶を見る家相が広まり、北東を鬼門として避ける習わしもこの流れの中で根づきました。いま日本で「風水」と呼ばれているものには、中国の風水、日本の家相、九星気学の方位の考え方が混ざり合っています。

英語では、中国語の発音をローマ字にした feng shui をそのまま使い、英語の辞書にも載っている言葉です。直訳すれば wind and water ですが、英語圏でもインテリアや建物の配置を整える東洋の知恵として、feng shui という名前のまま親しまれています。

気・陰陽・五行の考え方

風水の土台には、気・陰陽・五行という三つの考え方があります。どれも難しい理屈ではなく、部屋を見るときの物差しとして使えます。

気は、自然や人の暮らしを動かしている目に見えない流れです。風水では、気がほどよく巡る場所を心地よい場所と読みます。家に当てはめると、玄関から入った気が廊下や部屋を通り、窓から抜けていく流れが理想です。床に物があふれている、昼でも暗い、湿気がこもっている部屋は、気の巡りが止まった場所と見なします。

陰陽は、明るさと暗さ、動きと静けさ、温かさと冷たさのように、物事を対になる二つの性質で捉える見方です。家族が集まるリビングは陽の場所として明るく、眠るための寝室は陰の場所として落ち着いた色と照明にするというように、場所の役目に合わせて陰陽の加減を変えます。どちらかに偏りすぎない状態を目指します。

五行は、万物を木・火・土・金・水の五つの性質に分ける考え方で、色と方角を結びつける手がかりになります。星占堂では五行の色を次のように対応させています。

五行には、木が火を、火が土を、土が金を、金が水を、水が木を生む相生と、互いに抑え合う相剋の関係があります。方角に合う色を選ぶときは、その方角と同じ五行の色か、その五行を生む色を使うのが基本です。生み合いと抑え合いの流れは五行バランスで詳しく説明しています。

方角と八卦(八つの方位が表す運)

風水では、家の中心から見た八つの方位に、易の八卦を一つずつ当てはめます。日本の風水解説で広く使われているのは後天八卦という配置で、九星気学の後天定位盤とも重なっています。それぞれの方位が表す運の目安は次のとおりです。

八方位に加えて、家の中心は家全体の気が集まる場所として扱います。たとえば「人づきあいを広げたい」なら南東、「お金を貯めたい」なら北や北東というように、悩みに合った方位から整えると、手をつける場所がはっきりします。

方位は、間取り図に地図の真北を書き入れ、家の中心から角度を測って決めます。星占堂では東西南北を各30度、北東・南東・南西・北西を各60度に分けており、手順は方位の測り方にまとめています。方位ごとの色は風水の方角と色の一覧で確かめられます。

風水で家の中で見る場所(玄関・寝室・水回り)

風水で家の中を整えるときは、方角より先に、役目の大きい場所から手をつけます。中心になるのは玄関、寝室、水回りの三つで、ここに家の中心を加えると、家全体の気の流れをひととおり見渡せます。

玄関は気の入り口

玄関は、人と一緒に気が入ってくる場所です。たたきに靴が何足も並んでいたり、宅配の段ボールが積んであったりすると、入り口がふさがれた状態と読みます。出しておく靴は家族一人につき一足までにし、照明を明るく保つことが第一歩です。鏡を掛けるなら、入ってきた気を跳ね返さないよう、ドアの真正面を避けて横の壁にします。

寝室は気を蓄える場所

寝室は、一日の疲れを休め、翌日のための気を蓄える場所です。ベッドはドアの真正面や窓の真下から少し外し、枕元に物を積み上げないようにします。寝具は淡く穏やかな色でそろえると、陰の場所らしい落ち着きが生まれ、からだを休める時間に気持ちが向きやすくなります。

水回りと家の中心

トイレ、浴室、洗面所、キッチンの水回りは、湿気とにおいがたまりやすく、風水では気がよどみやすい場所です。換気扇を回す、使ったあとに水気を拭く、トイレのふたを閉めるという三つを習慣にすると、方角を問わず整います。キッチンは火と水が隣り合う場所なので、コンロとシンクの間に緑の小物や木のまな板を置き、二つの気をやわらげます。家の中心は物を積まずに明るくしておくと、家全体の流れが滞りません。

九星気学の方位との違い

風水と九星気学は、どちらも方角を使うため混同されやすい考え方です。いちばん大きな違いは、見ている方角が「家の中」か「出かける先」かという点です。

風水が見るのは、家の中心から見た部屋や家具の方角です。北は愛情と貯蓄、西は金運というように方位の意味は動かず、八宅という流派では、生まれ年と性別から求める本命卦で、その人になじむ方位が一生変わらずに決まります。

九星気学の方位は、住まいから見て引っ越し先や旅行先がどの方角にあるかを見るものです。本命星から見た吉方位は、年盤と月盤の星の動きで毎年、毎月入れ替わります。去年の吉方位が今年も使えるとは限らないのが、風水との大きな違いです。

日本の家相は、家の形や間取りから鬼門・裏鬼門などの吉凶を見るもので、風水とも九星気学とも別に育ちました。家の中の配置を考えるときは風水と家相、引っ越しや旅行の方角と時期を選ぶときは九星気学、と目的で使い分けると、調べた情報が食い違って見えても迷わずに済みます。

風水・家相・九星気学の方位の違い
比べる点風水(八宅を含む)家相九星気学の方位
生まれ古代中国江戸時代の日本で広まる大正時代の日本でまとめられる
見る方角家の中心から見た部屋や家具の方角家の中心から見た間取りと家の形住まいから見た引っ越し先や旅行先の方角
良し悪しの決め方方位の意味は固定。八宅では本命卦で一生変わらない鬼門・裏鬼門、欠け・張りなど家の方位と形で決まる本命星と年盤・月盤で毎年・毎月変わる
主な使い道部屋選び、家具の配置、色の取り入れ方家を建てる・選ぶときの間取りの確認引っ越し・旅行の方角と時期選び

風水を暮らしに取り入れる順番

風水を始めるときに、置物や開運グッズから買いそろえる必要はありません。お金をかけずにできることから順に進めると、部屋の変化を実感しやすくなります。

  1. 窓を開けて換気し、床に置いた物を片づけて床を見せる
  2. 玄関のたたきを拭き、出しておく靴を減らす
  3. 間取り図に真北と家の中心を書き入れ、各部屋の方位を確かめる
  4. 整えたい運に合う方位を一つ選び、その方位の色の小物やカーテンを一つ足す
  5. 寝室や書斎など長く過ごす場所を、自分の本命卦になじむ方位と照らし合わせる

賃貸住宅で間取りを変えられないときも、色と配置と掃除だけで風水は十分に取り入れられます。方角の良し悪しを気にしすぎて暮らしが窮屈になるなら、日当たりや動線の住みやすさを優先し、整えられる場所から少しずつ手を入れてください。家族の生まれや間取りが絡んで考えがまとまらないときは、図面を見せながら誰かに話してみると、どこから手をつければよいかが自然と見えてきます。

よくある質問

風水は英語で何と言いますか?

英語では中国語の読みをローマ字にした feng shui をそのまま使います。直訳すると wind and water ですが、英語圏でも住まいや配置を整える東洋の考え方として feng shui の名前で通じます。

風水で家の中のどこから整えればいいですか?

まず玄関から整えます。玄関は気の入り口なので、たたきを拭き、靴を減らし、照明を明るくするだけで家全体の流れが変わります。次に寝室、水回りの順で手を入れると無理なく続けられます。

風水と九星気学の方位は同じものですか?

同じではありません。風水は家の中の部屋や家具の方角を見て、方位の意味は動きません。九星気学は引っ越し先や旅行先の方角を見るもので、吉方位は年盤と月盤で毎年変わります。

風水で方角の悪い部屋に住んでいたら引っ越したほうがいいですか?

方角だけを理由に引っ越す必要はありません。風水が気にかけているのは暗さや湿気、物のあふれ方なので、掃除と換気、照明、色の工夫で整えられます。住み替えは暮らしやすさを基準に決めてください。

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